米インテル、DRAM・NANDに嫉妬?

順調な成長を続ける半導体市場。ただ、つぶさに見てみると、勢いがあるのはパソコンなどに使うDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)をはじめとしたメモリー分野に限られる。携帯型音楽プレーヤーなどに使うNAND型フラッシュメモリーも、価格下落が進んでいるとはいえ、今後の成長性は誰しも認めるところだ。

一方、米インテルが最大手のMPU(超小型演算処理装置)といったロジック分野は、激しい価格競争に悩まされている。こうした中、一部のアナリストたちから漏れ伝わってくるのが「米インテルはDRAMやNAND型フラッシュメーカーに嫉妬(しっと)しているのではないか」との見方だ。

インテルも1986年まではDRAMを生産していた。市況悪化で撤退したが、その後のDRAM業界は再編を経て寡占化が進み、現在は安定した価格を謳歌(おうか)している。DRAMの高値のしわ寄せで、同じくパソコンに使うMPUの値下がりが助長されている面もある。

こうした状況が、インテルのプライドを著しく傷付けているというのだ。一部には「DRAMを大量に買い占めてから一気に放出し、価格を急落させるのでは」などという憶測まで飛び出している。

NAND型フラッシュについても、実質的に韓国サムスン電子東芝の2社が支配している状況。「そうはさせじ」とばかりにインテルは米マイクロン・テクノロジーと提携し、2005年末に市場に参入した。

07年は量産効果が徐々に出てきて、メーンプレーヤーの一角に食い込みそうだ。果たしてインテルはNAND型フラッシュ市場で躍進し、傷付いたプライドを癒やせるのか。今後の展開が注目される。