2014-01-01から1年間の記事一覧

「アジア化」するアジア

アジアは植民地からの政治的独立以来の半世紀にわたる先行条件期を経て、一九八〇年代後半期より一様に高成長過程に入り、その過程で特有な自立的発展のメカニズムを擁するにいかったというのが私の見方である。現在のアジアを苛んでいる通貨・金融危機は、…

ゆきとどいた在宅看護

どのホームも入居者の半数は、公的な費用の援助を受けている人たちである。あと半分の人は自分の年金で利用料金を払っているといっていた。日本のように、貧乏人は公費老人ホームの四人部屋、金持ちはぜいたくな(しかし案内書に書いてある通りの医者がいな…

自動車の社会的費用

ウィルソンは、地球上に生命が誕生してから四〇億年のときが経ったが、その問に、生物種が大量に失われたことが六回あったことを示します。現在、その第七回目の生物種の大量喪失期に入っているというのが、ウィルソンの主張です。熱帯雨林の破壊は、この二…

生き残り競争と淘汰

マイノリティの労働者にとって、自動車産業は主要な雇用先だった。五、六年前の自動車不況のとき、彼らは大量に失業し、職安で失業保険を受給していたのをわたしも目撃している。コール教授は、郊外や農村部に進出してくる日本企業は、スラム化した都市に住…

迷走する金融安定化法案

他の金融機関と同様、サブプライムローン関連など多額の不良資産を抱えて資金繰りが行き詰まっていた。米政府は当初、AIGも救うつもりはなかった。十二−十四日の官民緊急会合ではリーマンだけでなくAIGについても民間救済を促している。FRBも一度は…

米軍の軍事的任務

重要なのは「危機に晒されている関心事項が、重要ではあるが死活問題ではない場合には、米国の軍事力の投入は、それが米国の利権を犯す可能性があり、敵対勢力がその目的を達成する可能性が高く、しかも米国の目的を達成するには米軍の投人以外には適当なも…

株式の振替決済制度

株式の振替決済制度とは、株式の売買のときに株券をやりとりせず、お互いに帳簿に記載して取引をすませる制度です。このやり方は、パリの取引所で主に行われていますが、わが国でも売買の多い銘柄については、証券会社相互間の取引に利用されています。そこ…

労働点数制度の活用

農業余剰の工業部門への移転は一回かぎりではなく、恒常的なものでなければならない。少なくとも、工業部門が「拡大再生産」のための原資を自部門の内部から調達しうる、つまりは「自己維持的拡大」局面にいたるまでのあいだ、農業余剰は持続的に工業部門に…

信用拡張乗数の大幅低下

信用拡張乗数を規定する要因は預金準備率(預金の引出しに備えて積み立てる法定準備金に銀行が自主判断で保有する自由準備金を加えたものを預金で除した比率)と現預金比率(銀行の保有現金を預金で除した比率)である。このなかで預金準備率は原則的には金…

原理的に完全な方法

両者の差に関して実際には研究者は実験群と統制群との変化を、比較するという方法をとっている。つまりもし実験群における変化が、統制群における変化よりも期待される方向に大きく動いていれば、フィルムの効果があったと判断できるのである。この場合重要…

タブーを破ったこと

私は、週刊誌からコメントを求められたが、実は私は、憲法についてろくに思い入れもなく、深く考えていないことを自覚するばかりであった。そういう私の言葉など、憲法学者や平和憲法を守る会などという団体の人たちには、聞くに値しないものなのだろうと思…

バブルの崩壊過程

GDPの内訳で見ても、この4年間に、個人消費や政府支出は25%程度しか伸びていない。それに比べると、民間設備投資と住宅投資は約60%も伸びている。結局バブル期といっても、実体経済面では民間の投資が突出していただけなのである。通常の国民生活そのもの…