日本史をふり返り、日本が外向きになって大陸に進出していった歴史に注目すると、過剰介入によって成功した事例が見事に一例もないことがわかる。なぜなのだろうか。秀吉の朝鮮出兵はいうまでもなく、近代以降を見ても韓国合邦、辛亥革命支援による中華民国…
文革の取材を終わって日本に帰ってみると、文化大革命は人々のにぎやかな話題にはなっていたが、ベトナム戦争とからめて理解している人々には、ほとんど会わなかった。先にも書いたように、そもそも大三線計画の内容が、国内ですら20年近くも公開されず、外…
こうした提言は、それ以後どのように具体化されていったのだろうか?1992年8月13日、安保理は旧ユーゴのボスニア・ヘルツェゴビナで起きた紛争の人道援助を促進するため武力行使を含めた「必要なあらゆる措置」を取るよう各国に要請する決議案を採択した。こ…
最近では2001年3月末のペイオフ解禁を延期すべしとの議論も出てきている。たしかにその後の金融危機は予想を越えるものであり、あの頃5年後に想定していた健全な金融情勢は残念ながらまだ実現していない。ペイオフや資金援助に代わる破綻処理方法も十分整備…
もっと厄介な壁は、改革を指示すべき国務院そのものである。中国の役人の仕事ののろさは有名だが、書類がたまって遅いというだけでなく、前例のないような案件の決済になると、すでに大方針が出ていても、ためらう。机の上にその書類が一枚だけあったとして…
イスラム教の守護者スルタンを頂点とする、マレーの伝統的政治構造は独立後も守られた。イギリス植民地時代の官僚制度が継承され、イギリス人が独占していたこの官僚機構のなかに独立後参入して行政支配力をにぎったのは、マレー人エリートであった。経済力…
良い知らせは、この時期が終わりを告げようとしていることだ。しかし衝撃が終わり大半の国家経済が回復したとはいえ痛みはまだ続いており、この景気後退の後遺症はかなり長続きするものと思われる。現在景気回復の形態や期間を予測するのが難しいように、こ…
その頃の日本は、まだ、為替や金融デリバティブを証券会社で行うことができず、大蔵省は外資系証券会社に優先的に銀行免許をだすことで、米国からの金融自由化の圧力をかわそうとしていた。はからずも規制のおかげて、私はウォール街文化に触れる機会を与え…
合併後も多地域銀行のリーダーを目指し、マネーセンター・バンクになる意図はないと表明しているが、その方針を守り切れるか否かを疑問視する向きもある。バンカメリカは収益の三割を大企業取引や国際業務であげているし、両行のカルチャーは大きな相違があ…
文化戦争は夫婦の間にもよく生じる。多くの場合、父性原理を優位とするのは女性である。日本の男性は日本的集団に帰属している限り、母性原理を相当に身につけている。自分の意見があっても、めったに自分から言い出したりしない。自分の考えというよりは、…
市のケーブルテレビには韓国テレビの専門チャンネルが現れ、韓流ドラマや人気バラエティー、ニュースまでがリアルタイムで放送されている。二〇〇六年に延吉市政府庁舎を訪ねた七き、市の朝鮮族職貝たちが「昨日のSBS(韓国の民放局)のドラマ見た?」と…
卑劣な書き込みなどで問題が起こった時には、すぐに誰が書いたのか追跡できる仕組みを政府が作ったのだ。この制度は、年齢は問わず、全国民が対象となる。「ネット先進国」韓国では、今や政府による規制や、親による監視が当たり前になりつつあ「学校裏サイ…
九州西方・熊本県沖の空域で、4月21日から2日間、千歳と小松基地所属のF15戦闘機が、米空軍嘉手納基地から飛来したKC135空中給油機と共同しつつ、はじめて空中給油を実地体験した訓練概要を伝えるものである。空自報道資料によれば、この訓練は「初めて導入…
「リベンジ」−「復讐する」。中・高校の英語授業ではそれほど頻繁に出てくる言葉ではない。が、サッカーや野球のプロ選手がよく使っている。若者たちの間ではよく出てくる。あの西武ライオンズ松坂大輔投手も使った。不本意な敗戦の後など「次はリベンジしま…
北朝鮮は日本にとって、世界で唯一国交のない国である。村山富市元首相を団長とする超党派議員団が、九九年十二月一日から三日間訪朝、朝鮮労働党と九二年十一月以来七年間にわたって中断していた両国政府間の国交正常化交渉の再開で合意した。これを受けて…
「私は、アメリカの方針に正当性があるから支持したのであって、危険な大量破壊兵器を危険な独裁者が持った場合に、どのような危険な状況に直面するか。大量破壊兵器廃棄、これはもう国際社会が一致結束してイラクに求めていることであります。同時に、日米…
アジアは植民地からの政治的独立以来の半世紀にわたる先行条件期を経て、一九八〇年代後半期より一様に高成長過程に入り、その過程で特有な自立的発展のメカニズムを擁するにいかったというのが私の見方である。現在のアジアを苛んでいる通貨・金融危機は、…
どのホームも入居者の半数は、公的な費用の援助を受けている人たちである。あと半分の人は自分の年金で利用料金を払っているといっていた。日本のように、貧乏人は公費老人ホームの四人部屋、金持ちはぜいたくな(しかし案内書に書いてある通りの医者がいな…
ウィルソンは、地球上に生命が誕生してから四〇億年のときが経ったが、その問に、生物種が大量に失われたことが六回あったことを示します。現在、その第七回目の生物種の大量喪失期に入っているというのが、ウィルソンの主張です。熱帯雨林の破壊は、この二…
マイノリティの労働者にとって、自動車産業は主要な雇用先だった。五、六年前の自動車不況のとき、彼らは大量に失業し、職安で失業保険を受給していたのをわたしも目撃している。コール教授は、郊外や農村部に進出してくる日本企業は、スラム化した都市に住…
他の金融機関と同様、サブプライムローン関連など多額の不良資産を抱えて資金繰りが行き詰まっていた。米政府は当初、AIGも救うつもりはなかった。十二−十四日の官民緊急会合ではリーマンだけでなくAIGについても民間救済を促している。FRBも一度は…
重要なのは「危機に晒されている関心事項が、重要ではあるが死活問題ではない場合には、米国の軍事力の投入は、それが米国の利権を犯す可能性があり、敵対勢力がその目的を達成する可能性が高く、しかも米国の目的を達成するには米軍の投人以外には適当なも…
株式の振替決済制度とは、株式の売買のときに株券をやりとりせず、お互いに帳簿に記載して取引をすませる制度です。このやり方は、パリの取引所で主に行われていますが、わが国でも売買の多い銘柄については、証券会社相互間の取引に利用されています。そこ…
農業余剰の工業部門への移転は一回かぎりではなく、恒常的なものでなければならない。少なくとも、工業部門が「拡大再生産」のための原資を自部門の内部から調達しうる、つまりは「自己維持的拡大」局面にいたるまでのあいだ、農業余剰は持続的に工業部門に…
信用拡張乗数を規定する要因は預金準備率(預金の引出しに備えて積み立てる法定準備金に銀行が自主判断で保有する自由準備金を加えたものを預金で除した比率)と現預金比率(銀行の保有現金を預金で除した比率)である。このなかで預金準備率は原則的には金…
両者の差に関して実際には研究者は実験群と統制群との変化を、比較するという方法をとっている。つまりもし実験群における変化が、統制群における変化よりも期待される方向に大きく動いていれば、フィルムの効果があったと判断できるのである。この場合重要…
私は、週刊誌からコメントを求められたが、実は私は、憲法についてろくに思い入れもなく、深く考えていないことを自覚するばかりであった。そういう私の言葉など、憲法学者や平和憲法を守る会などという団体の人たちには、聞くに値しないものなのだろうと思…
GDPの内訳で見ても、この4年間に、個人消費や政府支出は25%程度しか伸びていない。それに比べると、民間設備投資と住宅投資は約60%も伸びている。結局バブル期といっても、実体経済面では民間の投資が突出していただけなのである。通常の国民生活そのもの…
酸素は大気中に多くありすぎても困るが、現在量はその意味でちょうどいいレベルにある。皮肉な見方をすれば、人類はその過程を、オゾン層の破壊ということで実験的に確かめようとしているともいえる。地球環境は新たな生物種の出現によって変化し、そのため…
数千年間撹拝されて出てきた、多彩性の中で生き、多彩性を生かし、またその多彩性を守る(生む)能力が、「インド式トインテリジェンスであると私は考えている。つまり、多彩性が「インド式」インテリジェンスの原点である。インドの多彩性について語る上で…