液晶テレビ 大型化が加速

液晶テレビの大型化が加速している。1年前の主流だった32型は年末商戦で主役の座を37型以上に譲りそうだ。

家電量販店の売り場では現在、薄型テレビの40%近くを32型が占める。1インチ4000円に近づいた32型は液晶テレビの急ピッチな値下がりの象徴とされた。ただ、ここにきてフルスペックハイビジョンや37型以上を求める人が売り場でも増えてきた。

家電メーカーも実売価格が下がりすぎた32型から、37型以上の大画面の販売に軸足を移しつつある。シャープが8月に稼働した亀山第2工場製の液晶パネルを搭載した新製品も42型から52型の6機種だ。

シャープは市場全体では今年度下期に店頭価格が30型未満で10%、40型以上で20%程度下落するとみている。ただ、シャープとしては大型モデルの販売比率を高めることで、5%程度の値下がりにとどめたい考えだ。

年間を通じてテレビの最大需要期である年末商戦に入るため、パネル価格は年内は緩やかな下げで推移する見通しだ。

気になるのはライバル、プラズマテレビ陣営の動き。松下電器産業は早くもテレビCMなど物量作戦を展開している。すでに40−50型クラスではパネル段階での両者の価格差は縮まっている。同社幹部は「液晶テレビに価格面でやられたらやりかえす」と公言している。同社が率先して値下げを打ち出す可能性もあり、店頭価格の波乱要因となりそうだ。

今冬のボーナス商戦。家電量販店の店頭に新モデルが並ぶ。大型化した液晶とプラズマを見比べて消費者は迷いそうだ。購入の決め手になるのは画質か、価格か。