広報担当の官房長官は枝野氏よりも細野豪志氏の方が信用できる感じがする。

広報担当の官房長官には、枝野氏よりも細野豪志氏の方が相応しそうである。この4ケ月余りの政府の震災対応を見て一番納得できないのが、政府及び東電の情報発信だった。当人達はは間違っていたなどとはおくびにも出さないだろうが、私たちはずっと政府の発表に騙されてきたような気がする。

特に、枝野官房長官の記者会見が一番いけない。如何にも真摯そうに対応するものだから、多くの国民が騙されてしまった。この人が大丈夫だと言っているから大丈夫なんだろう、と無理矢理納得したようなところがある。アメリカは未だに福島第1原発から80キロ圏内のアメリカ人に対しては避難勧告を続けているが、福島第1原発の事故が収束しない限り現実には変えないと思う。

より安全を確保するために、余計なことは言わないものだ。万一アメリカの政府が大丈夫ですなどと言って、これを信じたアメリカ国民が被害を受けることになるか分からない。訴訟のリスクを避けるためには、特別の用事がないものは危険かもしれないところには無闇に立ち入らないもの、必要のないものだ。ところが、枝野氏は結構危ないことを言っている。

原子炉の溶融があるのに直ちにはないと言ったり、将来にわたっての危険はあるのにないと言って見たり、随分気休めのことを言い続けてきた。官房長官が先頭に立って大丈夫、大丈夫、まだ大丈夫などと盛んに言い触らすものだから、内閣全体の緊張感が今一つ足りず、結果的に放射性物資による被害の拡大の防御が遅れてしまった。

随分、罪作りだと思う。放射性物質で汚染された稲わらを飼料にした農家は肉牛の販売が出来なくなった。おそらくその地域で生産された農作物も販売できない。国の初期対応の誤りの結果である。放射能汚染対策のいろはのいが実行されなかったのだろう。すべてを菅総理の無能のせいにすることは、出来ない。補佐役が補佐役の役目を果たしてこなかったところに問題がある。

枝野氏は、いつまでも使われるだけの存在であってはならない。弁舌だけでは、絶対に仕事は仕上がらないということを肝に銘じるべきである。いつまでに何をどう仕上げるか、という具体的目標を持つ必要がある。組織を動かすことに習熟する必要がある。今日の参議院本会議で第二次補正予算が成立する運びだ。まもなく菅内閣退陣のXデーが来るが、結局、誰がどんな仕事をしたのか見えない。出来上がったのは、すべて自民党公明党が中身を詰め、了承したものだけということになる。

細野豪志氏が首相補佐官から原発担当大臣になっているだけのように見える。しかし、細野氏は枝野氏の後の原発広報担当を務めているが、今のところ私の目から見ると細野氏の言葉にはその場しのぎの嘘や誤魔化しのニュアンスは感じないのがいい。

これから細野氏がどう伸びていくか、楽しみなところもある。細野氏の今後に注目していることを、念のため皆さんにお伝えしておく。